Formal Party part 1

年に一回のフォーマル・パーティーの日が近づいてきて、なんだか落ち着かない毎日を過ごしていまし

た。 まず悩むのが「何を着ていったらいいのか?」・・・

このパーティーは、主人が研修させて頂いている事務所が所属している団体のかなり大がかりなもので、

「男性はブラックタイ、女性はイブニングドレス」 と決められているのです。

渡米する前からこのパーティーのことは聞いていたので、主人用にはタキシードを買ってありました。

私もロングドレスは一着買ってきてありましたが、これが全然気に入っていないシロモノなんですよ。

今でこそどこのブティックでもパーティードレスは売っていますが、あの当時はいくら探しても良いものが

なくて、デパートの礼服売り場でやっと見つけたピンクのいかにもセンスのないドレスを買ってきて

しまったんです。 それも化繊のペラペラのものなので、こんなものでは場違いかも知れないと思ったり、

アメリカ人の女性がどんなものを着るのか見当がつかなくて自信がありませんでした。

何しろフォーマル・パーティーなんて生まれて初めての経験なので・・・

 
さんざん悩んだ末に「やはり日本人は着物が一番」という結論

に達し、「パーティーだから派手なものがいいだろう」ということで、

振り袖を着ることにしました。「ミスの礼装だけど、ま まだ若いからいいよ

ね」と勝手に解釈して、その日は朝から大騒動!

日本では美容院で結ってもらっていた髪を、悪戦苦闘しながらもなんとか

アップに結い上げてかんざしまでつけた。この時点でもうすでに汗だく・・・

その後の着付けがまた大変!

一応、着付け教室には通ったけれど、浴衣じゃなくて振り袖なんだもんねえ・・

帯が難しくて、主人にも手伝ってもらってやっと出来上がったときにはもう

グッタリ・・・パーティー行く前からしっかり疲れ果ててしまいましたよ。

主人も慣れないタキシードなんか着ちゃって・・・腹巻きみたいなベルトをつ

けて、黒い蝶ネクタイしてるのがなんとも可笑しくて

七五三みたい」なんて笑っていましたね


でも笑っていられたのもこれまでで、いざ出陣(?)というときには二人ともすっかり緊張して口数も極端に少

なくなっていました。

この日のパーティーにはニューヨーク事務所の所長さんも出席されるとのことで、そのことがより一層悩み

のタネだったのです。この所長さんの噂は日本にいたときから聞いていました。あまりにも有名な人だった

のです。とにかく「エキセントリック!」「ワンマン!」らしいので・・・

それと、何よりも心配なのが、私達とニューヨークの所長以外はアメリカ人ばかりのパーティーで、どのよう

に振る舞ったらいいのか・・・何を話したらいいのか・・・とにかく初めての経験なので不安で一杯・・

会場へ着く頃は不安が頂点に達していて、着物の帯が苦しいせいもあって、呼吸困難になりそうでした。

それに輪をかけて気持ちをブルーにさせてくれたのがニューヨークの所長・・・

この日の所長はなぜか ご機嫌この上なく悪し・・で、私を見たとたん

「そんな着物なんか着てたらアメリカ人達は芸者ガールと間違えるぞ」 ゝ(°▼°メ)ノ

なんて言うんですよ。「なるべくアメリカ人と同じものを着なきゃいかん!」とも・・・

それを言われるまでもなく私はもうすっかり後悔していました。着付けが下手なので、ギュッと結んだ紐が

苦しくてたまらなかったし、重ね着しているので暖房が利いている部屋では暑くてたまらなかったし、

それとやはり「目立ちすぎる」のもなんとも居心地の悪い思いがしました。

でも着てきてしまったからにはもう遅い・・・これで頑張るしかありません。

この所長はたばこを出したら ライターにをつけて というように気をきかさないと不機嫌になるらし

いのですが、主人はそんなこと絶対にしない人ですしねえ。ただでさえ機嫌が悪いのに、見ているともう

ハラハラするほど、噴火寸前の火山みたいなんですよ。なんとかご機嫌を直してもらう方法はないかし

らとアレコレ考えてましたが・・・話をするうちに所長さんがとっても素晴らしい声の持ち主であることに気が

ついたんですよ。思わず

「所長さんのステキですねえ。なんだか時代劇のお殿様みたい」(^o^)


と言ったら、この日初めての笑顔になって

「そうかあ? いやよく言われるんだ。三船敏郎の声に似てるって」 (o ̄∇ ̄)o

とそれは嬉しそうになったんで、心底ホッとしました。

それからはすっかりご機嫌が直って、お話が弾みました。やはり人間は幾つになっても誉められるってこと

は嬉しいんだなあってしみじみ思いましたよ。それもお世辞ではダメですね。自分が密かに自信をもってい

ることを誉められるのが一番うれしいんだなあって分りました。「これからは常にこの手でいこう!」と思いま

したけどね・・・「言うは易し 行うは難し」 でしたね。 日本人って人を誉めるのが下手なんですよね。

ちなみに、主人も私のこと なかなか誉めてくれません・・・ん? 誉めにくい? なんでかなあ?

女房と子供は誉めて育てて欲しいなあ ホント!

この日のパーティーは深夜まで続きました。 続きは次回にね

to be continued

 

 

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